難しい事を言うつもりはありませんが、一度きりの人生、考えてもいいと思う事は結構あります。
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西風と太陽(オキナワ01)
平凡な庶民の僕と、その小さな家族は、誰がどう見てもその暮らしぶりはささやかで、デュラレックスのコップのように素朴で静かな日常を送っている。だけどそんな僕らでも、たまには月曜日と木曜日のゴミ出しを忘れ、絶望的に少ない朝の身支度時間を少しでも余裕を持って過ごすために、前日の夜のうちに米を洗ったり炊飯器のタイマーを入れたりしなくてもよく、日々汚れていく床や浴槽のことを考えなくてもいい、そんな時間に身体を漂わせてみたくなるのだ。これは決して贅沢とか、添加物とか、余剰とか、増してや高度消費社会における豊かさの享受などというエグゼクティヴなものではない。むしろ、日々の暮らしが僕らを少しずつ侵食し、磨耗させ、酸化させる諸々への対症療法なのであり、マイナス1や或いはマイナス3を0に戻す以上のことはないし、望まない。第一それ以上のことができる力量を備えていない。人々はもう何十年も日曜日の夕方に「サ○エさん」を見て次のウィークデーを大なり小なり憂えているが、一年間に52回憂鬱になることはあっても、サ○エさんとマ○オさんが離婚することを望むものはいないし、磯○家の前面道路がいつまでも未舗装で歩道が整備されなくても本気でツッコミを入れるものもいない。要するに、庶民にとっては日々挫折を味わい、鬱屈を抱える事は必然ながら、本気でこの世界から逸脱する事を望んだり実践したりするのは虚構なのだ。したがって、今週もサ○エさんは永遠の未就学児のママであり、来週も不変である事を告げたなら、大いに憂鬱な人もそうでない人も、ジャンケンポンで戯れて確認する。サ○エさんという動かない壁に跳ね返って、先週と同じ場所へ帰っていく自分を。
そんな「せいぜい」を背中にしょったような僕が、最大限リハビリテーションの効果を得るには、合理的に経済的にコトを計画する必要があって、果たしてその成果は後に書くとして、台風の隙間を衝いてリゾートホテルに滞在するという大博打を敢行することと相成った。しかし生まれてこのかた、こんなに一つの台風の動向を見守った事はない。思い入れ込みすぎて、彼と呼ぶまでに至ったこの台風は、僕の平成23年度後半の全てを握っているといっても過言ではなくなっていた。そんな僕の気持を知ってか知らずか、彼が目的地近辺にネチネチ居座り続けたのは、皆さんもご承知の通り。
だけど奇跡的に飛行機は飛んでくれた。僅かな僕の、モチベーションの種と共に。この際、台風に向かって飛ぶのが怖いなどと言ってはいられない。伊丹発那覇行ANA105便、ボーイング777-300は、南の島のリゾートへ行くにはあまりにも場違いな、レザーブーツやレザーパンツ、レザーグローヴにプロテクター付きのジャケットまで、約1名分ではあるが積載しているその意味を考えてもらわなければならない。(つづく)

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